ペットは地震を予知する?異常行動から異変を察知しよう
ペットは地震を予知する?異常行動から異変を察知しよう
この記事を読むための時間:3分
「ペットが地震を予知した」という話を聞いたことはありますか?
地震の発生前にペット(動物)が異常な行動をとっていたという目撃情報は、世界中に数多く存在します。ペット達は本当に地震を予知しているのでしょうか。
この記事では、ペットが地震前にとる異常行動について解説していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ペットは地震を予知できる?
ペット(動物)は人間に比べて優れた感覚を持っているため、人間には認知できない現象を察知している可能性はあります。昔から大地震の前などには、宏観(こうかん)異常現象と称される異常現象が発生すると言われているのです。
宏観異常現象の具体例としては、地鳴りや耳鳴りの発生、地電流(地中の微弱な電流)の変化などから、「地震の前はナマズが騒ぐ」などの動物の異常な行動まで含まれます。
これらの異常現象を利用して地震を予知しようという動きもありますが、十分な根拠や信頼性が認められていないのが現状です。
ペットが地震の前にとる異常行動
昔から、大地震の発生前などにペット(動物)の異常な行動は数多く目撃されています。阪神淡路大震災や東日本大震災の前にも目撃情報は多く、その代表的な例は以下の通りです。
- 逃げ出す
- 異様に甘える
- 怯えて震える
- 外に行きたがる
- 落ち着きがなく興奮する
- 体調を崩す(絶食、下痢、嘔吐など)
- 鳴き方が普段と違う(頻繁に鳴く、遠吠えする)
ペットは地震の何を感じる?
地震前にペットが異常な行動をとるメカニズムは未だに解明されていません。
しかし、ペットが地震を予知しているとすれば、以下の説が有力だと言われています。
- P波を感知している説
- イオン濃度を察知している説
- 地震の電磁波を察知している説
- 帯電エアロゾルを感知している説
P波を感知している説
地震の揺れには「P波」と「S波」が存在しており、それぞれ以下のような特徴を持っています。
伝わる速度 | エネルギー | |
P波 | 速い | 小さい |
S波 | 遅い | 大きい |
地震が発生すると、最初にP波による小さな揺れが、その後S波による大きな揺れが発生します。P波による揺れは弱いのですが、ペットは人間よりも早くこの微弱な揺れに反応しているのではないかと言われているのです。
イオン濃度を察知している説
地震が発生する前には、大地に生じた亀裂からラドンという物質が放出され、大気中のイオン濃度が急激に高まるという説が提唱されています。
その説に関連して、ペットは何らかの方法でイオン濃度を感知しているのではないかと言われているのです。
地震の電磁波を察知している説
地震が起こる際、地殻変動によって強い電磁波が発生すると考えられています。電磁波は地震の揺れよりも早く伝わるため、地震の前に電磁波の影響でペット(動物)が異常行動を起こすのではないかと言われています。
帯電エアロゾルを感知している説
地震が発生する前には、地中から静電気を帯びた帯電エアロゾルという微粒子が放出されるという説が提唱されています。
その説に関連して、ペットは何らかの方法で帯電エアロゾルを感知しているのではないかと言われているのです。
ペットは地震を予知している訳ではない?
「ペットが地震を予知している」という考えの反対意見として、「アンカリング効果が影響しているだけでペットは地震予知などしていない」という意見もあります。アンカリング効果とは、最初に頭に入った情報を基準として物事を判断してしまう精神傾向を指します。
つまり、地震が起きたという情報を基準として、後からペットの異常行動を地震と結びつけて考えてしまっているという意見です。
ペットの行動を観察しよう
この記事では、ペットが地震を予知できるのかについて解説しました。
地震の前にペット(動物)が異常な行動をしたという情報は数多く存在しますが、そのメカニズムは解明されていません。アンカリング効果による影響で、地震とは全く関係ないという意見まであります。
しかし、ペットは人間よりも優れた感覚を持っているので、私たちには分からない何かを感じ取っている可能性はあります。ペットの動きに注意を払うことが、防災に繋がるかもしれません。ペットの行動を気にかけることは、ペットの健康管理においても重要なことのでしっかりと観察すると良いでしょう。