台風のときに犬も一緒に避難所に行ける?事前準備や実際の対応について徹底解説
台風のときに犬も一緒に避難所に行ける?事前準備や実際の対応について徹底解説
この記事を読むための時間:5分
台風が起きた際、「ペットって一緒に避難できるのかな…」「何か準備は必要なんだろうか…」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
災害時に慌てないためにも、対応について知っておくことは重要ですよね。
そこでこの記事では、台風の際にペットと一緒に避難するための事前準備や対応について解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
台風のときに犬も一緒に避難できるのか?
結論から言うと、台風のときに犬と一緒に避難することは可能です。
環境省が作成した「人とペットの災害対策ガイドライン」においても、飼い主がペットと一緒に避難すること(同行避難)を原則としています。
ただし、その対応は自治体によってバラつきがあるのが現状です。
ペットの受け入れができない避難所もあるので、事前にホームページなどで調べておくようにしましょう。
また、ペット受け入れが可能な避難所においても、ペットと人間の生活エリアが完全に分けられている場合がほとんどです。
人間エリアへのペットの連れ込みも禁止されているため、皆さんが想像しているような避難体系ではないということを頭に入れておいてください。(盲導犬や介助犬などは連れ込み可)
こちらも自治体によって方針が変わってきますので、ホームページなどで確認しておきましょう。
2次災害の心配がない場合は、ペットを家に残し、世話をしに避難所から通うというのも1つの方法になります。
その場合は周囲の状況をよく観察し、判断しましょう。
台風に備えて飼い主が準備すべきこと
家族の一員であるペットを守るためには、日頃からしっかりと準備しておくことが重要です。
具体的には、
- 防災対策
- ペットのしつけと健康管理
- ペットの所有者明示
- ペット用の避難用品や備蓄品の確保
- 避難所や避難ルートなどの情報収集
が挙げられます。
台風が起きてから慌てることのないように、しっかりと確認しておきましょう。
防災対策
まず、台風時に飼い主もペットも無事でいなければなりません。
そのために、防災対策をしておく必要があります。
具体的には、
- 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っておく
- 窓やカーテンを閉めておく
- ペットの普段いる場所に破損や倒壊するものがないか確認する
- 首輪や鎖が外れたり切れたりしないか確認する
など。
ペットを守るためにも、防災対策から始めてみましょう。
ペットのしつけと健康管理
ペットとの避難や避難所での生活をスムーズにするためには、日頃からペットのしつけや健康管理を行っていく必要があります。
具体的には、
- 「待て」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけ
- ケージ等に入ることを嫌がらない
- 不必要に吠えない
- 人やほかの動物を怖がったり攻撃的にならない
- 決められた場所で排泄ができる
- 狂犬病予防接種などの各種ワクチン接種
- 犬フィラリア症など寄生虫の予防や駆除
- 不妊・去勢手術
など。
他人への迷惑を防ぐだけでなく、ペット自身のストレスを減らすことにもつながるので、日頃からしつけや健康管理には注意しましょう。
ペットの所有者明示
台風のときには、やむを得ずペットをおいて避難をしたり、ペットとはぐれてしまう場合があります。
そんなときに保護されたペットが自分のもとに帰ってくるよう、所有者をはっきりさせておかなければなりません。
具体的には、
- 首輪や迷子札をつける
- 鑑札や狂犬病予防接種済票をつける
- マイクロチップをつける
など。
狂犬病予防法により、年1回の予防接種と鑑札や狂犬病予防接種済票を飼い犬につけることが義務付けられていますので、しっかり守りましょう。
また、迷子札や鑑札では不安があるという方はマイクロチップをつけることをおすすめします。
首輪などと違い外れる心配が少なく、確実な身分証明となるためです。
装着されたマイクロチップのデータは、AIPO(動物ID普及推進会議)に登録され、保護された際に照合に利用されます。
費用は動物病院によってさまざまで数千円~1万円ほど。
補助金を出している自治体もあるので、1度調べてみるといいでしょう。
ペット用の避難用品や備蓄品の確保
避難先でペットに必要なものは、基本的には飼い主が用意しておく必要があります。
救援物資が届くまで日にちがかかる場合もありますので、きちんと備えておきましょう。
具体的には以下のものを用意しておくことが望ましいです。
- 首輪とリード・キャリーバッグやケージ
- 薬
- 水・えさ(1週間分以上)
- 予備の首輪やリード
- 飼い主の連絡先や預かり先などの情報
- ペットの写真
- ワクチン接種状況や健康状態・かかりつけの動物病院などの情報
またこれらに比べて少し優先度は低くなりますが、
- ペットシーツ
- 排泄物の処理用具
- トイレ用品
- タオル、ブラシ
- おもちゃ
などのペット用品も用意しておきましょう。
備蓄品には優先順位をつけ、避難時にすぐに持ち出せるように、人の避難用品と一緒に保管しておくことを忘れないでください。
避難所や避難ルートなどの情報収集
飼い主は避難指示が出たときに備えて、住んでいる場所の防災計画や避難所の場所、避難ルートなどを確認しておきましょう。
加えて、避難所にペットを連れていく際の注意点などを自治体に確認しておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。
また余裕がある場合は、実際に避難所までペットと一緒に行ってみることをおすすめします。
その際、
- 避難所までにかかる時間
- 破損や倒壊の危険がある場所
- 通れないときの迂回路
- 避難所でのペットの反応
などを確認しておきましょう。
台風が起きた際の飼い主の対応
実際に台風が起きた際に飼い主がすべき対応は以下の通りです。
- 飼い主とペットの安全確保と状況確認
- 避難の判断
- ペットと一緒に避難
- 避難中のペットの生活環境の確保
- 避難所や仮設住宅でのマナーの遵守と健康管理
台風が起きて慌てることのないように、流れを確認しておきましょう。
1.飼い主とペットの安全確保と状況確認
まずは飼い主とペットの安全を確保しましょう。
突然の災害でペットがパニックになってしまい、それが大きなケガにつながる場合もあります。
そのため、ペットを落ち着かせるとともに、リードをつけたりケージに入れるなどして安全に注意しましょう。
そのうえで、テレビやラジオ、SNSなどから正確な情報を集め状況を整理しましょう。
2.避難の判断
整理した情報をもとに、自宅や地域の状況を確認し、避難するかどうか判断しましょう。
自宅が危険な場所や避難指示が出ている場合は、ペットと一緒に安全な場所に避難してください。
周囲が安全な状況であれば、自宅に留まるというのも1つの選択肢になります。
3.ペットと一緒に避難
安全に注意し、ペットと一緒に指定緊急避難場所や指定避難所まで避難しましょう。
災害時にペットと離れている場合は、災害の種類や周囲の状況、距離などを考えて、ペットと避難ができるかどうか飼い主自身が判断してください。
このとき、家族や地域住民に避難を頼むことも1つの選択肢としてあるので、日頃から協力体制を築いておきましょう。
4.避難中のペットの生活環境の確保
避難生活を行っていくなかで、ペットの生活環境としていくつか選択肢があります。
そのときの状況を踏まえて、適切な生活環境を選択しましょう。
メリット | デメリット | |
避難所 | 一緒に過ごせる | マナーの遵守・慣れない環境へのストレス |
自宅 | ペットへのストレスが少ない | 避難所からの通い・2次災害の危険性 |
車の中 | 周りに迷惑がかからない | 熱中症やエコノミー症候群などの危険性 |
施設 | 安心・安全 | 条件や費用などのトラブル |
それぞれにメリット・デメリットがありますので、状況を加味して選んであげてくださいね。
5.避難所や仮設住宅でのマナーの遵守と健康管理
避難所や仮設住宅などで集団生活をする場合は、マナーの遵守と健康管理に注意しましょう。
一緒に生活する人のなかには、動物が苦手な方やアレルギーを抱えている方がいるということを忘れてはなりません。避難所や仮設住宅などで集団生活をする場合は、マナーの遵守と健康管理に注意しましょう。
咬傷事故や鳴き声への苦情、被毛や糞尿処理などの衛生上のトラブルになりそうなことには、しっかりと責任を持って対処しましょう。
また、ペットは慣れない環境にストレスを感じ、体調を崩してしまうことが多くなります。
飼い主はペットの体調に気を配り、不安を取り除いてあげるように努めましょう。
まとめ
台風はいつ皆さんの周りで起きるかわかりません。
急な避難に慌てないために、この記事を参考に準備を進めていってください。
ペットを守れるのは飼い主である自分自身だけだということを頭に入れておきましょう。
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